美容室・ヘアサロンの開業・開店の方法

 福岡市は全国的にも美容室・ヘアサロンの激戦区です。コンビニも顔負けの新規開店数ですが、その一方閉店する美容室も多く、生き残りをかけた経営力が必要となってきています。

 美容室・ヘアサロンはカットやパーマ、カラーの技術が優れていることは当然のこととして、美容室の雰囲気、使用しているシャンプー・トリートメント・カラー剤などのヘアケア商品・スタッフの対応・メニュー・価格・立地・情報発信力など様々な条件を基に選ばれています。

 福岡の美容室の顧客層は、女性だけでなく男性も利用が多く、母親に連れられて幼い子供が来店することも珍しくありません。
 また、福岡の美容室は若い経営者が多いため、常に新しい技術を取り入れながら、エステ・ネイルサロン・雑貨販売・カフェの併設など独自性を持った美容室・ヘアサロンが増えてきています。

 福岡で美容室・ヘアサロンを開店したい、独立したいと思ったときに注意しておきたいことがあります。それは、美容業界で働いている人の多くは技術者であるということです。
 福岡で美容室をオープンするまで、技術向上やお客様へのより良いサービス提供については美容室勤務時代にも経験していることでしょうが、経営者としての知識や目線を身につける機会はなかったのではないでしょうか。

 優れた技術・センスを持っている人が優れた美容室経営者・人気サロンオーナーになれるとは限らず、美容室を維持運営していくこと、安定した経営をしていくことはとても難しいことなのです。

 自分の夢をたくさん詰め込んだ美容室・ヘアサロンをスムーズに開店するための流れをご紹介します。

1. 美容室開店までの流れ

  • お店のコンセプト・事業計画書作成
  • 物件選び・市場調査
  • 開業資金借り入れの準備・申請
  • 店舗内装デザイン・ロゴの決定
  • 諸官庁へ許可申請
  • 宣伝方法の検討
  • メニュー・価格等の決定
  • 美容機器・備品類の購入先決定・購入
  • スタッフ募集・面接・決定・教育
  • 消防・保健所の検査
  • シミュレーション
  • オープニング・レセプション
  • 開店

2.美容室のコンセプト

 美容室・ヘアサロンのオープンまでに必要な期間は約4月~6月と言われています。そのスタートを切る作業がこのコンセプトの決定、事業計画書の作成です。

 美容室のコンセプトの難しいところは、決して自分よがりになってはいけないというところです。
 自分らしく個性のある美容室を持ちたいと思う人が多いと思いますが、長く愛される美容室・ヘアサロンはお客様の居心地のいい、リピート率の高いことが絶対条件となってきます。

 そこで、魅力的な美容室にするために、ターゲット層を明確にすることから始めることをおすすめします。
 20代の若い女性をメインターゲットとするのか、30代の経済的に少し余裕のある女性をメインターゲットにするのか、主婦層をメインターゲットにするのかでも立地・料金設定・美容室の雰囲気が違ってきます。

 メインターゲットのイメージは、できるだけ具体的に年齢・性別・服装・性格などまで想像を膨らませていくことで、どんなサービスが必要か、どんな美容室・ヘアサロンなら選んでもらうことができるのかとコンセプト設計へと繋がります。

3.事業計画書の作成・資金の借入

 福岡で美容室・ヘアサロンを開業するにはどれぐらい資金が必要なのでしょうか?
 開業後の運転資金はどのぐらいあれば安心でしょうか?
 それを知らなければ借入をする金額も決まりません。

 一般的に必要な資金は店舗の敷金や前家賃・改装費・機器の設置・シャンプー・カラー剤などの消耗品の購入などで500万円~1,000万円と言われています。
 開業する場所がビルの1階か5階では家賃が違ってきますし、機器を購入するのかリースするのかでも違ってきます。
 自分がメインとして行うサービスによっても機器の種類・消耗品の内容等でも開業資金は違ってきます。

 資金の借り入れを行う際には、この事業計画書がとても重要になってきます。どこまで具体的に数字を見ているか現実味があるのか、その根拠はどこにあるのかなど診査され、返済可能と認められなければ開業資金の借入はできません。
 多く利用されているのが日本政策金融公庫ですが、もちろん民間の金融機関からも条件次第では融資を受けることができます。新規開業に適した融資制度や女性・若者・シニアを対象とした融資制度も用意されていますので、身近な福岡の税理士と一緒に事業計画を考えて、自分に合った融資先を探されることをおすすめします。

4.物件選び・市場調査

 美容室・ヘアサロンの出店場所は、メインターゲットはどんなお客様なのか、そしてどんな美容室にしたいかによって異なってきます。

 不特定多数の一般客なら人通りの多い場所や、駅前などが選ばれるでしょうし、仕事帰りに気軽に来てほしいと考えるならビジネス街ということもあります。口コミで特定のお客様をターゲットにするなら、一等地にこだわる必要はありませんので家賃も安くなります。

 前述したように美容室のコンセプトによって出店場所が変わり、開業資金が変わり、融資額が変わってきますので、やはりコンセプトを決める時間はとても重要になってきます。

 通常、店舗敷金は家賃の6か月前後必要になり、開業後固定客を確保するまでは家賃が大きな負担となってきてしまいます。そのためにも事業計画の作成を行い、開業後の運転資金で困らない融資額を受けることが大切になってきます。

5.諸官庁へ許可申請

 美容室・ヘアサロン開業のためには各所への手続きが必要です。
 美容師・理容師の免許があることはもちろんですが、衛生的な基準を満たした場所なのか保健所確認検査が必要です。

 新規に開設するときには、事前に保健所へ構造・設備等の相談に行き、開設のための手続きをスムーズに行えるように準備しておきましょう。

 また、事業を新規に行うのですから税務署等への届出も必要になってきます。個人事業主の場合、法人の場合で異なる部分はありますが、様々な手続きが必要です。書類一つで、特別な控除を受けることができたり、税金の還付を受けることができたりしますので、事前に顧問税理士と打合せを行う必要があります。

6.宣伝方法の検討

 一般的にはホームページを作成したり、クーポンを雑誌に掲載したりして、より多くの人に知ってもらう努力が必要です。
 しかし、メインターゲットに一番届く方法を考えて絞り込んで行うことで、無駄な費用を削減できるのも確かです。

7.メニュー・価格等の決定

 事業計画の作成にも大きくかかわり、一度決定すると簡単には変更が難しいので、慎重に決めなければなりません。
 今までの経験と、ターゲット層、美容室の規模や設備、また近隣の相場も加味して価格を設定していきます。

8.美容機器・備品類の購入先決定・購入

 美容機器、備品は最新式の高額なものから、掘り出し物までありますが、一度に揃えるのではなく、必要最低限から揃える方法もあります。

 事業を始めてから、使用頻度が少ないものを、高額で買ってしまったことを後悔しないように、美容室のコンセプトをしっかりと持って購入決定を行いましょう。

9.スタッフ募集・面接・決定・教育

 美容室の印象を大きく左右するスタッフの教育は重要です。
 接客の基本はまず挨拶からです。スタッフの挨拶・言葉遣い・お辞儀・声の大きさ等チェックするところはたくさんあります。

 どんなに気に入ったヘアスタイルにしてもらえても、スタッフの態度が悪いという理由からお客様が離れてしまうこともあります。

 ほとんどの美容室でも行っているように、朝礼の時に接客用語の唱和をすることが重要です。その際、笑顔で元気よく行うことが大切です。
 スタッフのファンが増えるような魅力的な人材を育てましょう。

10.シミュレーション・オープニング・レセプション

 いよいよ美容室開店です。
 技術者であり経営者となるわけですから、スタッフとの連携の確認・動線の確認・お金の管理等のシミュレーションで最終チェックを行います。

 レセプションを開き周囲の人々に挨拶をしておくこともいいでしょう。

11.美容室開店

 美容室を開店する前も初めての作業が多く、勤めていた時と比べるととても大変です。しかし、本当の大変さは開店して味わうかもしれません。
 独りで考え悩むのではなく、その時々にそれぞれの専門家に助けを求めることが事業を始める時には必要です。

 応援してくれ、助けてくれる専門家や仲間と出会えるチャンスはきっとあるはずですから、そのチャンスを逃さず、夢を持って自分の美容室・ヘアサロンを開店してください。