令和元年10月1日からの消費税10%増税後の実態

消費税10%と軽減税率

 消費税の増税そして日本初の複数税率が開始されて、もう4週間が過ぎようとしています。2度の増税延期があり、今回も延期するのでは?と最後まで言っていた人の予想は外れ、約5年6か月ぶりの増税となりました。

 増税前、多くのメディアでは増税よりも軽減税率と言われる、食品(酒類を除く)の持ち帰り購入と、配達される新聞だけに適用される8%という新しい制度に注目していました。

 政府の狙い通りだったのか、世間も増税の不満や家計圧迫の不安より、どこまでが外食扱いとして10%課税になるのか?出前やケイタリングは10%になるの?コンビニの店舗内の飲食はどちらの税率?ファーストフードの価格も、店内飲食と持ち帰りで変わるの?など多くの疑問に目が向きました。

 9月中、連日テレビで軽減税率について放送されていたものが、実際に施行されてからはどの番組でもパタッと取り上げなくなり、自然と軽減税率は社会に溶け込み、メインである増税の痛さはごまかされました。

 既に今では、毎回レシートをじっくり見て、8%または10%を確認している人は会社の経理担当者と税理士ぐらいかもしれません。

2.消費税増後の世論調査

 日本経済新聞社とテレビ東京が10月25日~27日に世論調査を実施しています。増税後、家計支出を「減らした」と答えたのは21%に留まり、以前と「変わらない」が76%だったようです。

 家計支出を「減らした」と答えたのは、男性の19%に対して女性は24%と多かったようです。やはり家計を預かることの多い女性は、影響を受けているようです。

 では、平成26年4月の5%から8%に消費税が増税になった時はどうだったかというと、「減らした」が31%、「変わらない」が66%でした。

 この結果から考えると、3% と2%の増税率の違い、食品の税率は8%のままであること、軽減税率に目が逸れたこと、キャッシュレス決済のポイント還元、住宅ローン控除の延長など様々な要因から、反動が前回よりも少なかったのかもしれません。

3.キャッシュレス決済の利用

 10月1日の増税に伴って始まった、キャッシュレス決済することでポイント還元される制度を利用している店舗が多くあります。
店舗側としては、この制度を導入していないことで他店にお客さんが流れてしまう可能性が出てくる、時代の流れだから、今なら設備の導入費用が安く済むなどの理由から積極的に入れているところが多いようです。

 では、実際キャッシュレス決済を利用している人はどのくらい増えたか、調査によると利用を「増やした」が22%、「増やしていない」が75%となっており、「増やした」との回答を世代別にみると39歳以下では38%、40代50代は30%だったのに対して60歳以上になると11%に留まりました。

 日本人は現金支払いが根強く残っていることと、スマホ決済になるとアプリのダウンロードや設定等に手間を感じ、なかなか踏み出せない人もいるようです。

 世界のキャッシュレスの波に日本も近づくことは必要ではあるが、普及の仕方でポイント還元の様に恩恵を受けることができる世代と、なかなか馴染めない世代が出てくるのは悲しい現実ですね。

 今後は、支払いが手軽になることは良いことだが、中には自分の支払い能力以上の買い物をしてしまって、多重債務者になる人も増えてしまうかもしれません。自分の使用限度額を決め、一人一人が自己責任の上でキャッシュレス社会を生きていかなければならないと思います。

 福岡の税理士目線から考えると、マイナンバーやキャッシュレスが普及することで、どんどん個人資産や個人法人のお金の流れが透明化され、プライバシーが侵されて行ってしまう危機感を感じずにはいられません。