消費税増税後の物価上昇は控えめ

1.物価の動き

 2019年10月1日から消費税が増税となりましたが、物価の動きは思った以上に上昇せず、どちらかというと停滞に近い状態となっています。

総務省が毎月発表する消費者物価指数(CPI)の変動の6割が、食品と日用品で説明できるとされており、日次の物価指数(7日移動平均)をみると、2019年9月は増税前の駆け込み需要を取り込むセールの影響で急激に低下しました。

2019年10月1日から、消費税増税分が価格に上乗せになったため指数は上昇したが、食品・日用品の物価は前年比0.96%上昇と1%に達しない結果となったようです。

2.企業努力による価格設定

前回の2014年の5%から8%の消費税増税時には、物価の急激な上昇が消費者の購買意欲を減少させ、個人消費の大きな落ち込みにつながってしまいました。よって今回政府は、企業に柔軟な価格設定を認め、増税分を転嫁しない動きが小売りや外食に広まっていったようです。

「無印良品」を運営する良品計画は、増税の後も多くの商品の税込み価格を変えない企業努力を行い、サイゼリヤなどの外食企業も本体価格を引き下げ以前の税込み価格を維持しています。

私たち消費者にとっては本当にありがたいことですが、企業側はその分コストカットの努力を行っており、人件費削減や工場の海外移転などにもつながると考えると、日本にとってどちらがいいのか?と考えずにはいられません。

3.政府の習いと今後の問題点

今回の消費税増税では、ポイント還元、家計の負担を減らすための食品の軽減税率が適用、幼児教育の無償化が始まったこと等により、政府の狙い通り消費の落ち込みは防げたように思います。

しかし、日銀が掲げる2%の物価安定目標に遠のいてしまっていることは、今後の日本経済の成長を考えると大きな課題になってきます。